内分泌疾患専門病院
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医療統計ってどんなこと?

医療統計ってどんなこと?

統計解析が今や幅広い場面で活用されていることはご存じかと思います。医学・医療の分野でも,疾病統計,がん登録,臨床研究などさまざまな用途で統計解析が行われており,診断や治療方針の決定などに活かされています。

医療統計は,医療現場のデータを活用して病気の診断・予測・治療効果の検証を行い,問題を解決することを目的としたものです。
統計としてデータを利用するためには,情報の蓄積・整理を日々行っていく必要があります。野口病院の診療記録管理室では,国内で標準的に用いられているコード体系を用いてデータを分類し,あとから利用しやすいよう情報を管理しています。当院の診療実績も診療記録管理室でまとめています。また,以下のがん登録事業も行っています。

院内がん登録

野口病院では1946年(昭和21年)から甲状腺がんの院内登録を開始し,現在までに2万件以上が登録されています。そのおよそ9割以上を占める乳頭癌については,腫瘍の大きさをはじめさまざまな項目が登録されています。過去の治療の経過や結果を把握しフィードバックすることは医療の質の向上に繋がります。これらのデータを活かしながら,個々の患者さまの病状に応じてよりよい医療を提供できるよう日々努めています。

全国がん登録

全国がん登録は,日本でがんと診断されたすべての人のデータを国でひとつにまとめて集計・分析・管理するために,国が法律を整備し2016年1月に始まりました。
全国に何ヵ所のがん診療連携拠点病院を整備すればよいのか,がんを治療できる医師は何人くらい必要か,どの年代の人にどのようながん検診を実施するのが効果的かといった計画や対策を立てるときにこの登録情報が役立ちます。分析によって得られた最新の統計情報は,国立がん研究センターが運営するがん情報サービス内で随時公開されています。
当院もこの全国がん登録に情報を提供しています。

(野口病院診療記録管理室)