内分泌疾患専門病院
甲状腺・副甲状腺疾患、糖尿病などの生活習慣病 Facebookページへ Twitterへ
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「野口病院note」最新投稿

  • 診療記録管理室のお仕事 診療記録管理室では患者さんの診療情報を収集・データ化し,情報の分類・分析・統計管理を行っています。医療の質の向上を目指し,職員3名で日々業務に取り組んでいます。 その業務の一つである「追跡調査」についてお話します。 追跡調査 当院では,入院治療を受けられ「追跡調査」の同意をいただいた患者さんを対象に定期的にアンケート調査を行っています。 野口病院の「追跡調査」の歴史は古く,1938年(昭和13年)頃から始まって80年以上ものあいだ調査を継続しています。開始当初は往復ハガキを使用していましたが,現在は封書でアンケート用紙をお送りしています。2022年現在,約1万5千人の方が調査の対象となっています。 アンケートでは,しばらく受診されていない方,遠方のため当院を受診できず近医で受診されている方に,現在の健康状態や病気の治療状況などについてお尋ねしています。 甲状腺の病気の中には,長い年月が経過した後に再発したり,甲状腺ホルモンの過剰や不足の状態になって体調を崩してしまうことなどもあります。 患者さんにとっては「ご自身のお身体の状態を確認していただき,適切な時期に医療機関で受診していただくこと」,医療者にとっては「記録した情報を収集・分析し,診断や治療法の向上に役立てること」がこのアンケート調査の目的です。 薄緑色の封筒に追跡調査についてのお手紙・アンケート用紙・返信用封筒を同封し,毎月200~300名の方に郵送しています。 なかにはアンケート用紙の余白や便せんに,ご自身の近況や入院されていた頃の思い出などを書いてくださる方もいらして,ありがたく拝読しています。 皆さまからのお返事は,今後も甲状腺疾患に対する診断や治療法の改善に役立ててまいります。 (野口病院診療記録管理室)

  • 甲状腺手術の合併症(2) 甲状腺の裏側には副甲状腺という名前の臓器が存在します。これは甲状腺とは全く別の臓器です。通常,副甲状腺は左右に2つずつ計4つあり甲状腺に付着しています。人によっては副甲状腺が5つ以上ある場合や,甲状腺とは離れた位置に存在する場合もあります。正常の副甲状腺は米粒ほどの大きさで,とても小さな臓器です。副甲状腺もホルモンを分泌する臓器であり,副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されます。PTHは主に骨・腎臓・腸に働きかけて,血液中のカルシウム濃度とリン濃度を調整する働きをします。PTHが上昇すると血液中のカルシウム濃度が上昇し,PTHの分泌が低下すると血液中のカルシウム濃度が低下します。 甲状腺の手術では副甲状腺の近くまで扱います。手術の操作によって副甲状腺も一緒に切除されたり,あるいは副甲状腺の血流が低下するなどして4つある副甲状腺の働きがすべて低下してしまうと,PTHの分泌が極端に低下して血液中のカルシウム濃度が下がります。これが副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症と呼ばれる合併症です。低カルシウム血症の症状は,まず両手指がピリピリとしびれてきて,次第に両手先がつって固まってきます。これはテタニー発作と呼ばれています。さらに重症になると,しびれが全身にひろがってきます。バセドウ病の術後のテタニー発作は手術の翌日の朝におこりやすく,甲状腺腫瘍の術後では手術後2~3日経ってからおこりやすいのが特徴です。 当院のバセドウ病の手術(甲状腺亜全摘術)では,副甲状腺はできる限り血流を温存して元の状態のまま残すようにしています。当院でのバセドウ病手術後の副甲状腺機能低下症の発生する確率は約8%ですがその大部分が一時的なものです。また,これは甲状腺全摘術を行った場合に比べると低い値です。 低カルシウム血症に対する治療は,カルシウム剤と活性型ビタミンD剤という2種類のお薬の内服です。それでもしびれの症状が強い場合はカルシウム剤の点滴を行います。このようなお薬の治療が開始になると,薬の量を調整する必要がありますので,入院期間が予定した期間よりも長くなります。手術後の低カルシウム血症の多くは一過性のものなのでお薬はその後中止できますが,お薬をずっと続けなければならないこともあります。 (野口病院外科 内野眞也)

  • 甲状腺手術の合併症 今回は当院で行っている甲状腺手術後の合併症のなかでも反回神経麻痺についてお伝えします。 反回神経は声帯を動かして声をだす働きをしているとても重要な神経です。甲状腺の後ろには気管があり,気管の横に細い神経があります。これが反回神経です。この神経は迷走神経という太い神経として脳から左右の総頚動脈に沿って下行し,胸の中に入ってから左右それぞれ一本ずつ枝分かれして上方へ再び返って来るので”反回”神経と呼ばれます。反回神経は気管の横を上行し,甲状腺の裏を通って最終的に声帯につながっています。 手術によって左右どちらか一方の反回神経が障害をうけると,声がかすれます。また,ものを飲み込むときにむせるようになります。これが反回神経麻痺の症状です。声のかすれは,以前の自分の声とはまったく違う声になることが多く,大きな声をだそうとしても太い声が出ずに,ひそひそ話をしているときのような声になります。ときにハスキーな声やガラガラ声に変わってしまうこともあり,とくに電話などの時には内容が相手に伝わりづらくなったりもします。もし左右両方の反回神経が同時に麻痺を起こした場合は声がほとんど出ず,呼吸もできない状態になりますので,気管切開という処置が必要になります。 反回神経の太さは1~2mmと細く,手術操作で神経を直接触ることにより容易に麻痺がおこりやすいとても繊細な神経です。野口病院のバセドウ病の手術では,反回神経が走っている部位をほとんど触ることがないため,反回神経を麻痺させる可能性は極めて低いと言えます。それでも神経に影響がでる可能性はゼロではありません。当院のバセドウ病手術後の反回神経麻痺の発生率は約1%で、そのうち90%以上は一過性の(一時的な)麻痺で半年以内に自然に回復しています。 つづく 次回は「甲状腺手術の合併症(2)」として副甲状腺機能低下症についてお伝えします。 (野口病院外科 内野眞也)

  • 野口病院におけるバセドウ病手術 野口病院で行っているバセドウ病手術は,甲状腺亜全摘術です。これは甲状腺のすべてを取り去る手術法(全摘)ではなく,大部分を切除して一部分を残す手術法です。この手術法は野口病院が開院して以来,継続して改良を重ねてきた手術法で,長い間この手術法を採用して良好な成績が得られています。 当院のバセドウ病手術の目標は, 手術による合併症をおこさないこと 術後にできるだけお薬をのまずに生活できるようにすること です。 切除する甲状腺の量は,患者さんの甲状腺の大きさにもよりますが,おおむね8割〜9割を切除して1割〜2割を残しています。たとえば手術前の甲状腺推定重量が20グラムと比較的小さな甲状腺腫の場合は,16グラム程を切除して4グラム程を残します。50グラムとやや大きめの場合は,45グラム程を切除して5グラム程を残します。50グラムを超えるような大きな甲状腺腫の場合は9割以上切除となりますが,おおむね5〜6グラムを残しています。エコーで測定した場合,正常の甲状腺の大きさは10グラム弱くらいですので手術で残す甲状腺の量は正常よりも小さく残していますが,バセドウ病の甲状腺組織であるため術後のホルモン分泌が十分期待できる大きさです。 手術時間は,甲状腺の大きさによって異なりますが,およそ40分〜1時間程度です。かなり大きな甲状腺の場合は1時間を少し超えることもあります。 患者さんにとって,くびの手術跡はとても気になる問題です。バセドウ病手術では左右対称の横切開の手術跡となります。皮膚切開の長さは切除する甲状腺の大きさによって異なりますが,50グラム以下では4 cm位,80〜100グラムくらいになると6 cm位です。100グラムを超えるような大きな甲状腺では,大きさに従って長くなります。くびのしわに沿った切開をおこなっていますので,しわの位置が切開部位になります。手術後は創部に軟膏を塗るなどのケアをしていただくと,3ヶ月〜半年ほど経った頃にはかなりめだたなくなってきます。   つづく バセドウ病の手術について、次回は「手術の合併症」です。 (野口病院外科 内野眞也)

  • 糖尿病友の会会報誌「あおぞら」 糖尿病友の会とは,全国の病院や診療所にかかっている糖尿病患者さんとその家族,医師,看護師,栄養士などの医療スタッフで作られている会です。 当院には日本糖尿病協会大分県支部の分会として野口病院糖尿病友の会があります。今回はこの友の会の会報誌についてご紹介します。 会報誌の名称『あおぞら』は,発刊当初に患者さんやスタッフから募集したものです。野口病院の旧病院建物のシンボルであった赤いとんがり屋根を見た患者さんから「青空に映える赤い屋根を見て前向きな気持ちになれました」というご意見をいただいて,『あおぞら』と名付けられました。 2014年に発刊した『あおぞら』は年4回刊の季刊誌として刊行されていて,9年目となる現在は第65号を配布しています。糖尿病診療で外来通院されている患者さんには診察時に受け取ったことのある方もいらっしゃると思います。 会報誌には医師,栄養士,検査技師,薬剤師,看護師が携わっており,それぞれの専門分野について記事を掲載しています。 会報誌で取り扱っている主な内容は以下のとおりです。 季節にまつわる食事のレシピ 話題になっている食材や栄養素のこと 季節ごとの生活上の注意点 よくある検査項目についての解説 新しい薬のご紹介 薬の取り扱いや服用についての注意点 家でできる運動のご紹介 医師やスタッフのご紹介 入院患者さんへのインタビュー など   糖尿病の患者さんだけでなく,ご家族にとってもわかりやすい内容となっています。 過去5回分のバックナンバーを当ホームページ上で公開していますので、ぜひご覧になってみてください。 当院では日本糖尿病学会糖尿病専門医3名が中心となって,外来・入院による糖尿病診療を行っています。 日本糖尿病療養指導士・大分県糖尿病療養指導士として認定されたスタッフが複数名在籍しており,さまざまな職種のスタッフが協力しながら診療にあたっています。 糖尿病について気になることがありましたら,遠慮なくご相談ください。 (野口病院看護科)

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