内分泌疾患専門病院
甲状腺・副甲状腺疾患、糖尿病などの生活習慣病 Facebookページへ Twitterへ

もっと知りたい採血のこと!(3)

もっと知りたい採血のこと!(3)

当院の外来採血は検査を専門に担当している臨床検査技師が行っています。採血した血液をどのようにして検査しているか,結果がでるまでなぜ1時間かかるのか,採血の際に患者さんからよく尋ねられる質問にお答えします。

なぜ何本も血液をとるのですか?

採血管にはたくさんの種類があり,血液が固まるのを抑える薬や逆に固まりやすくする薬が入っています。それらを検査の項目(種類)によって使い分けるため,複数の採血管が必要になります。
1本の採血管で2~5mL程度の血液が採取されます。1回の採血でとる血液量は多くとも15~20mL(大さじ1杯程度)です。

採血した血液を振っているのはなぜですか?

採血管の中に入っている薬剤と血液を速やかに混ぜるためです。採血管の薬剤と血液がよく混ざっていないと正しい検査を行うことができず,再採血をお願いすることがあります。採血担当者が採血管をしきりに振ったりするのを気ぜわしく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが,必要なことですのでご理解をおねがいします。

採血時,採血管の中に血液が吸い込まれていくのはなぜですか?

針を刺して採血管を押し込むと血液が勝手に入ってきます。これは採血管の中を陰圧(気圧が低い状態)にして最適な量で止まるように調整されているからです。また採血管の中には血液量に合った量の薬剤が入っているため,決められた血液量をきちんと採取することは正しい結果を出すためにとても大切です。

採血した血液はどのように調べられますか?

採血した血液は検査項目に合わせて処理します。貧血を調べる検査やヘモグロビンA1Cなど血液中の血球部分を検査する項目では血液をそのまま検査しますが,ホルモンや脂質,血糖など多くの検査に使用するのは血液の黄色透明な液体部分です。血液からこの液体部分を取り出す前処理を行ったあと,複数の分析装置で測定します。

検査結果が出るまでにどれくらいの時間がかかりますか?

院内で検査する項目の場合は,採血から約1時間で診察に必要な検査結果がすべてそろいます。まず検査を行うための前処理に20~30分ほどかかります。そこから,分析装置を用いた測定に(検査項目によって異なりますが)最長で30分ほどが必要です。あわせると1時間程度かかります。
ただ予期しない結果がでたりすると,再測定のために余分な時間がかかることもあります。
院内で検査できない項目については,外部の検査会社に依頼するため数日かかります。

(野口病院検査科臨床検査技師)

Tags: