内分泌疾患専門病院
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亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎とは

 甲状腺中毒症をひきおこす疾患として、バセドウ病、無痛性甲状腺炎についで多いものです。原因が未だ判っていない一時的な急性の甲状腺の炎症です。自然に治る疾患ですが、症状を和らげるために薬を使って治療します。

亜急性甲状腺炎の症状

 甲状腺中毒症による動悸、倦怠感などに加えて甲状腺の痛みと発熱が特徴的な症状です。甲状腺の中で炎症のある部分が硬く腫れて触ると痛みます。この痛む場所が時間とともに移動することがあります。炎症が治まってくると熱や痛みが軽くなり、甲状腺ホルモンの値も下がります。一時的に正常以下にまでホルモン値が下がってからまた正常にもどることが多いのですが、稀に甲状腺機能低下症に移行してしまうことがあります。

亜急性甲状腺炎の診断

 これらの症状・徴候に加えて、血液検査でFreeT3・FreeT4高値、TSH低値、CRP陽性を確認します。TRAbは原則として陰性です。超音波検査では痛みの部に一致して炎症を示す所見がみられます。

亜急性甲状腺炎の治療

 症状が軽度の場合は一般的な消炎鎮痛剤を内服するか、薬が必要ないこともあります。症状が強ければプレドニゾロン(ステロイド)を内服します。通常は4〜6週間ほどプレドニゾロンを内服すればよくなりますが、約20%の頻度でプレドニゾロンを中止する前後に炎症が再燃する場合があります。

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