内分泌疾患専門病院
甲状腺・副甲状腺疾患、糖尿病などの生活習慣病 Facebookページへ Twitterへ

無痛性甲状腺炎

無痛性甲状腺炎とは

 甲状腺の一時的な炎症のために甲状腺組織の一部が壊れて、甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出たために起こる甲状腺中毒症です。一時的な変化で自然に治ることが特徴です。出産後に起こる場合や、慢性甲状腺炎がもともとある人に起こることが多いのですが、原因がわからない場合もよくあります。甲状腺ホルモン過剰による症状はバセドウ病と同様ですが眼症状は伴いません。

無痛性甲状腺炎の診断

 原則として抗TSH受容体抗体(TRAb)は陰性です。また無痛性甲状腺炎では放射性ヨウ素摂取率が低い値をとります。これらがバセドウ病との相違点です。

無痛性甲状腺炎の治療

 無痛性甲状腺炎にはバセドウ病の治療薬は無効です。症状が軽ければ特に治療の必要はありません。自然に治るのを待ちます。症状が強ければベータ遮断薬を内服する場合があります。回復の途中で逆に甲状腺機能が低下することがありますが、これも自然によくなるのが普通です。

▲このページのトップへ