内分泌疾患専門病院
甲状腺・副甲状腺疾患、糖尿病などの生活習慣病 Facebookページへ Twitterへ

薬の飲み方

薬の効果を十分に得るためには,指示されたタイミング,量,回数を守って正しく服用する必要があります。

薬を飲むタイミングは?

服薬のタイミングは,薬袋に書いてありますのでよくご確認ください。
薬は,それぞれ決められたタイミングで飲まないと効果がなかったり,副作用を生じたりします。必ず決められたタイミングで服用しましょう。

起床時 朝起きて,まだ何も食べていないとき
食前 食事の30分くらい前
食直前 食事の直前
食後 食事の後30分以内
特に指示がない限り,食事のすぐ後に服用しても構いません
食間 食事を終えてから2時間ほど後の空腹時
食事と食事の間のことで,食事の最中のことではありません
眠前 寝る直前または20-30分前
睡眠薬は,寝る準備をしてお布団に入る直前にお飲みください
頓服(とんぷく) その症状が出たとき(解熱剤や咳止めなど)

 

◆例えば…
・ボナロン錠35mg
週に1回,朝起床時に服用する骨粗鬆症の薬です。
ボナロンは消化管からの吸収が極めて悪く,食事と同時に服用すると吸収が低下してしまうことから, 消化管の中に全く何もない時間である起床時が効果的とされています

・ボグリボース,ミグリトール等のα‐グルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)
食直前に服用する糖尿病の薬です。
α-GIは糖質の消化・吸収を遅延させることで,食後の急激な血糖の上昇を抑えます。この薬がきちんと作用するためには,食物と薬が一緒に消化管の中にあることが必要であるため,食直前の服用が必須となります。

当院でお渡しする薬のなかには,「食前」「食後」など服用のタイミングを指定していないものもあります。この場合,食前食後どちらで飲んでも構いません。毎日継続して服薬することが第一に大切ですので,ご自身でタイミングを決めて,服薬を習慣づけましょう。

薬を飲み忘れたときは?

指定されたタイミングで薬を飲み忘れたからといって,次の服用の際に2回分をまとめて服用することは決してしないでください。薬によって,気付いたときにすぐ服用した方がよいもの,忘れた分は服用せずその回は飛ばした方がよいものなどがあります。ご自身で判断せず処方元の医療機関にお問い合わせください。

薬の飲み方は?

錠剤や散剤などの飲み薬は,原則としてコップ1杯程度(約200ml)の水,またはぬるま湯でのみましょう。
薬によっては少ない水で服用した方がよいものもありますが,その場合は薬剤師より説明させていただきます。
また,水以外のもので飲むと薬の効果に影響が出る薬もあります。

◆例えば…
カフェイン含有飲料 + 痛風治療薬(アロプリノール) → カフェインの作用を増強します
アルコール + 睡眠薬 → 睡眠薬の作用を増強し,記憶障害などの副作用を起こす可能性があります

カプセル剤を開封したり錠剤を砕いたりして飲んでもいい?

薬によっては,カプセル剤を開封したり錠剤を砕いたりして飲むと,その薬の特性が損なわれたり,意図しない効果が生じたりする危険性があります。

◆例えば…
ニフェジピンCR錠を粉砕して服用すると,薬剤の徐放性(薬の成分が少しずつ長時間放出され続ける効果)が得られず,急に血中濃度が上昇して副作用が出やすくなります。

カプセル剤や錠剤が大きくて服用が難しいなどお困りの場合は,剤形違い(同一成分の粉薬と錠剤等)の薬に変更できることもありますのでご相談ください。
その他,医師の指示で1回の服用量が1錠未満(0.5錠等)になっている薬に関して,患者様ご自身で分割していただく場合と,当院で分割調剤し個包装でお渡しする場合があります。
薬の服用に際し,ご不明な点や不安に感じることがありましたら,遠慮なく薬剤師にご相談ください。

(野口病院薬局薬剤師)

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