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弊院から発表の主な日本語文献2007.2.13更新
(1990年〜2000年)
野口病院
874-0932 大分県別府市野口中町 6-33


内分泌外科 第17巻,第4号,2000年:247-50
小児甲状腺癌  最新の知見  小児甲状腺癌の特徴
野口志郎
著者らの施設での経験を中心に標記について解説した。小児および若年者(6〜19歳)の甲状腺癌は甲状腺癌全体の約2%に過ぎない。経験した134例(1946〜1996年)の組織型は,乳頭癌103例,ろ胞癌18例,未分化癌1例,髄様癌1例,微小癌とのみ記されたもの11例であった。分化癌の年齢分布,病態,生存率などについて述べた。

日本臨床平成12年11月30日発行
免疫症候群−その他の免疫疾患を含めて−(上巻) 自己免疫性下垂体炎
藤平隆司

腎と骨代謝 第13巻,第4号,2000年:303-9
原発性上皮小体機能亢進症術式の変遷
山下弘幸、野口志郎

外科治療 第82号 増刊 2000
特集 今日の腫瘍外科-最新の治療方針-
甲状腺の腫瘍性疾患 希な組織型の甲状腺腫瘍

山下裕人、野口志郎
家族性大腸ポリープ(FAP)に合併する甲状腺癌はcribriform-patternやtubular pattern,nuclear clearingを伴うmorula形成など、複雑な組織像を呈するのが特徴である。この型の癌にFAPが合併する率は33%であった。転移性甲状腺癌の原発巣は腎癌がもっとも多く、clear cell tumorを見た場合、まず転移と考えて鑑別にあたっている。その他希な組織型を示す甲状腺疾患についても述べた。

日本耳鼻咽喉科学会会報〔Journal of Otolaryngology of Japan〕第103巻,2000年:1205-11
Nonrecurrent inferior laryngeal nerve 7例の臨床的検討
寺尾恭一、戸田雅克*、村田清高
近畿大学医学部耳鼻咽喉科学教室、*野口病院耳鼻咽喉科
Nonrecurrent inferior laryngeal nerve(NRILN)は手術時偶発的にみつかることがほとんどであり、NRILNの可能性の認識がない場合には手術時損傷の危険性が高まる。自験例7例に対して、その頻度、手術時の注意点、術前、術後の検査の必要性について述べた。1998年12月から2000年3月までの1年4カ月間に当院で甲状腺、副甲状腺手術を施行した1889例を対象とした。1889例中7例(0.37%)の右側NRILNを確認した。左右別では、右側反回神経確認903例中7例(O.78%)、左側反目神経確認855例中0例であった。5例は甲状腺上、中部レベルにて、2例は甲状腺下部レベルにて迷走神経より分枝していた。全例ともNRILNを術前には予想していなかった。術前症状としては7例中3例に軽度の嚥下障害や咽喉頭異常感を認めた。術後に胸部X線を再検討したところ3例に、鎖骨下動脈起始異常に特徴的とされる線状陰影を認めた。MR angiography(MRA)を3例に施行したところ、全例に右鎖骨下動脈起始異常を認めた。7例全例に術後反回神経麻痺は認められなかった。甲状腺、副甲状腺疾患においては、原疾患の診断に用いた検査等よりNRILNを術前に予測できる可能性がある。NRILNの頻度が低いこと、digital subtraction angiography(DSA)、MRA、食道造影等に要する費用、侵襲度の問題より考えると、手術例全例に対し術前これらの検査を行う必要性はないと考える。NRILNの確認例において、術後に血管奇形の有無を精査すべきかどうかについては、基本的には必要ないであろう。手術にあたっては常にNRILNの可能性を念頭におき,慎重かつ解剖学的思慮に富んだ手術が望ましい。

手術 第54巻,第12号,2000年
甲状腺癌における気管環状切除術の工夫
山下弘幸、 大島章、 野口志郎、内野眞也、渡辺紳、戸田雅克
甲状腺分化癌の予後は一般的に良好であるが、周囲臓器に浸潤し致命的となる症例も存在する。そのような症例に対して手術の根治性を得るために浸潤臓器の合併切除が必要になってくる。気管浸潤に対しては壁深達度や浸潤範囲により様々な術式が選択されるが、浸潤が広範囲にわたる場合には気管環状切除が適応になる。環状切除・再建の手技については諸家の報告1〜4)があるが、気管切離後術野挿管に切り替え、気管後壁の吻合後経鼻あるいは経口挿管に入れ替え、前壁の吻合が行われている。我々は、挿管チュ-ブを入れ替えなしで気管環状切除・再建を4例に行い良好な結果を得たので、手術手技について報告する。

日臨外会誌 第61巻,第8号,2000年
原発性副甲状腺機能亢進症における術中迅速副甲状腺ホルモン測定の有用性
山下弘幸、野口志郎、内野眞也、渡辺紳、大島章、高津圭介、小池英介、山下裕人
原発性副甲状腺機能亢進症にて手術を施行した21例を対象に術中に副甲状腺ホルモン(I-PTH)を測定し、外科的治療の成否を判断する試みを行った。2例は既往に甲状腺切除を受けていた。術前に1腺の副甲状腺腫と判断した4症例に対しては小切開法で手術を行った。副甲状腺摘出直前、2、5、10、15分後のI-PTHをCLIA法にて測定した。12例に副甲状腺1腺の切除を、9例に2腺以上の切除を行った。持続性・再発性の高Ca血症は1例もなかった。I-PTHは副甲状腺摘出直前の209+/-213pg/mlより摘出後15分で42/36pg/ml(前値の20.7+/-9.6%)と有意に減少した。甲状腺癌の手術後の症例では、術中に両側内頚静脈のI-PTHの測定より(左が有意に高かった)、左側で下咽頭と頚部食道の境界部の食道後壁に存在した9×8mm大(重量170mg)の副甲状腺腫瘤を摘出できた。迅速I-PTH測定により、術中に手術の成否の判断が可能であり、特に甲状腺切除後や縮小手術(片側あるいは1腺のみの手術)の原発性副甲状腺機能亢進症に有効であった。

内分泌外科 第17巻,第2号,2000年:69-72
Quick PTH assayによるlimited exploration
山下弘幸、猪俣啓子、野口志郎、内野眞也、渡辺紳、山下裕人、二田哲博、村上司
原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)の約80%の症例は単一の腺腫であり、腺腫摘出により根治が可能である。術前の超音波検査や99mTc MIBIシンチなどによる腫大副甲状腺の局在診断能の向上により、片側あるいは1腺のみの縮小手術で終了することも可能であり、最近では内視鏡下手術も行われている。最近、欧米を中心に術中迅速副甲状腺ホルモン測定(Quick PTH assay)が行われ、その有効性が報告されている。欧米では、pHPTの初回手術例では部位診断を行わない施設もあるが、部位診断に病的腺切除後のQuick PTH assayをすることにより、片側あるいは1腺のみの手術で終了する施設も多くなってきている)。一方、わが国では、部位診断を行わない施設はほとんどないが、Quick PTH assayはほとんどおこなわれていないのが現状である。本稿では、Quick PTH assayの測定原理と方法についてふれたのち、縮小手術への応用や問題点などを諸家の報告にわれわれのデ-タを加えながら考察する。

手術 第54巻,第9号,2000年:1239-43
顎下部からのアプローチによる内視鏡補助下甲状腺片葉切除術
山下弘幸、大島章、高津圭介、小池英介、内野眞也、渡辺紳、野口志郎
甲状腺・副甲状腺の手術では反回神経麻痺や副甲状腺機能低下症を未然に防ぐだけでなく、手術創が頸部であることより、美容的な配慮も時代の要請と考える。内視鏡手術は、最近では胸腹部だけでなく、甲状腺・副甲状腺の手術にも応用されており、美容的には満足する結果が報告されている。我々は、前胸部あるいは腋窩(頸部外)からのアプロ−チ法による手術に加えて、顎下部からのアプロ−チ法も選択している。頸部外からのアプロ-チでは片葉切除が必要な際に、症例によってはBerry靱帯周辺部の処理が困難で反回神経麻痺を危惧しなければならない。後者では、頸部を屈曲させ創をずらすことにより甲状腺上極およびBerry靱帯部を直視下に処理が可能であり、創部に関しても美容的に満足できる。1999年10月より内視鏡下甲状腺・副甲状腺手術を開始し、現在まで副甲状腺腫3例(1例は同時に甲状腺切除施行)と良性甲状腺腫15例を経験した。顎下部からのアプロ−チ法で現在まで6例を経験したので手術手技について述べる。

日本臨床外科学会雑誌 第61巻,第4号,2000年:881-5
バセドウ病を合併した重症筋無力症の1例
〜甲状腺亜全摘術と内視鏡下胸腺摘出術による一期的手術の経験〜
小池英介 山下弘幸 大島章 渡辺紳 内野眞也 高津圭介
山下裕人* 志村英生** 野口志郎
野口病院外科 同病理* 福岡大学第1外科** 
重症筋無力症に様々な自己免疫疾患、特にバセドウ病の合併が多いことはよく知られている。従来の治療法では甲状腺亜全摘後、甲状腺機能の安定化を待ってから二期的に胸腺を摘出する方法がよく用いられてきた。しかし近年、術前管理の進歩で術後に甲状腺クリーゼをおこす危険が極めて低くなったこと、また低侵襲でかつ美容的にも優れた内視鏡下手術により胸腺を摘出できるようになったことなどを考慮すると、一期的な手術も十分可能と考えられる。今回我々は、バセドウ病と重症筋無力症を合併した27歳の女性に対して、一期的に甲状腺亜全摘術と内視鏡下胸腺摘出術を行った。検索し得た限りでは、内視鏡下で胸腺を摘出した一期的手術の報告はなかった。今後、この術式は治療法の選択肢の一つになり得ると考えられたため報告する。

臨床外科 第55巻,第6号,2000年:767-9
副甲状腺ホルモンの術中迅速測定を補助手段とした内視鏡下副甲状腺摘出術
山下弘幸、大島章、内野眞也、渡辺紳、山下裕人、野口志郎
原発性副甲状腺機能亢進症の80%の症例は単一の腺腫であり、腺腫摘出により根治が可能である。術前の超音波検査や99mTc MIBIシンチなどによる腫大副甲状腺の局在診断能の向上により、片側あるいは1腺のみの縮小手術で終了することも可能であり、最近では内視鏡下手術も行われている。欧米では、縮小手術において他の病的腺の見逃しを回避する補助手段として、術中迅速副甲状腺ホルモン測定7)が用いられているが、本邦での報告は少ない。われわれは、術前検査で単一の副甲状腺腫瘍と診断した症例に対して術中迅速副甲状腺ホルモン測定を用いた内視鏡下副甲状腺摘出術を導入した。現在までに3例経験し、美容的にも満足する結果を得たので、1症例を提示し手術手技と術中の迅速副甲状腺ホルモン測定の有用性について報告する。

Medical practice  第17巻,2000年:875
骨粗鬆症の患者で上皮小体機能亢進症は見逃されていないか?
山下弘幸
近年、骨密度の測定法の普及により骨粗鬆症に対する予防や治療について関心が高まっている。骨粗鬆症には閉経後の女性に多く発生する原発性と上皮小体機能亢進症、ステロイド内服、肝疾患、炎症性腸疾患などに随伴する二次性がある。なかでも閉経後の女性に多く発生する上皮小体機能亢進症の鑑別は非常に重要である 。 我々は最近、骨粗鬆症の治療中に甲状腺腫を指摘され紹介され、甲状腺乳頭癌と上皮小体機能亢進症の診断で手術を施行した症例を経験した。

手術 第54巻,第4号,2000年:563-6
小切開下の上皮小体摘出術を施行した原発性上皮小体機能亢進症の1例−迅速副甲状腺ホルモン測定を補助手段として-
山下弘幸、大島章、野口志郎、内野眞也、渡辺紳
 手術症例報告 

手術 第54巻,第3号,2000年:363-6
小切開下の甲状腺葉切除術
山下弘幸、大島章、野口志郎、内野眞也、渡辺紳
 甲状腺濾胞性腫瘍は、超音波検査や細胞診で良悪性の鑑別が困難であるので手術適応となる。甲状腺手術に特有な合併症である反回神経麻痺や上皮小体機能低下症を未然に防ぐだけでなく、手術創が頚部であることより、美容的な配慮も時代の要請と考える。内視鏡手術は、最近では胸腹部だけでなく、甲状腺切除にも応用されており、美容的には満足する結果が報告されている。しかし、内視鏡下手術の本来の目的であるminimally invasive surgeryと言う点では、手術時間が長くなるなどの短所がある。われわれは最近、術前診断が濾胞性腫瘍の症例に小切開下での甲状腺片葉切除術を行い、美容的にも満足する結果を得たので、手術手技につき報告する。

Medical practice 第17巻,2000年:317
バセドウ病眼症を疑われた重症筋無力症例
山下弘幸
 重症筋無力症にはバセドウ病、特発性血小板減少性紫斑病、橋本病、慢性関節リウマチ、自己免疫性溶血性貧血、全身性エリテマトーデスなど様々な自己免疫性疾患が合併することはよく知られている。バセドウ患者で突眼と複視を訴えたためバセドウ眼症を疑われたが、臨床症状や検査所見より、それらは重症筋無力症によるものと診断された症例を経験した

Medical practice 第17巻,2000年:147
バセドウ病術後の無痛性甲状腺炎による甲状腺機能亢進症例
山下弘幸
 バセドウ病術後患者において甲状腺ホルモン高値で機能亢進症状を示す場合、通常は術後の再発を考える。当院での手術例で、術後10年目にバセドウ病の再発と診断され放射性ヨード療法目的で紹介されたが、入院後の検査にて無痛性甲状腺炎による甲状腺機能亢進症と診断した症例を経験した。

外科治療 第81巻,第1号,1999年:37-9
甲状腺外科 今日の治療  予後因子に基づいた甲状腺癌の治療
野口志郎
甲状腺の切除範囲は,手術時に甲状腺全体を丁寧に触診して腫ようの大きさと部位 ,腺内転移の有無と部位によって甲状腺の切除範囲を全摘とか亜全摘とかにこだわることなく個々の症例に応じた切除法を行えば,切除法による予後の差はない。肉眼的に転移がないと思われる場合でも原発巣が甲状腺の被膜を越えている場合には保存的リンパ節郭清を行った方が予後が良い場合がある。すなわち,前頚筋あるいは気管と癒着がある50歳以上の症例,反回神経や食道と癒着のある症例である。

病院 第58号,第5号,1999年:412-4
岐路に立つ中小病院  中小病院の専門化の現状と課題  甲状腺疾患専門病院の立場から
野口志郎
専門病院の経営について甲状腺疾患専門病院の立場から次項に従って概説した。1)専門病院の定義,2)専門病院の必要性,3)専門病院へのアクセス,4)専門病院の実際(患者の受診動機,患者の地理的分布),5)技術評価と専門病院。

内分泌外科 第16巻,第3号,1999年:205-8
大きな甲状腺腫を有するバセドウ病患者に対する自己貯血下の手術
山下弘幸、野口志郎、椎葉昌史、木田景子*、渡辺紳、内野眞也、大島章、村上司、野口隆之*
野口病院、*大分医科大学麻酔科 
同種血輸血(以後輸血)には感染症1)、同種免疫による免疫学的副作用2)、移植片対宿主病(GVHD) 3)などの危険性を有する。これらの輸血による副作用を防止する目的で、一般外科領域の手術において大量の出血が予想される場合、術前に自己貯血を行なうことが推奨されている4)〜8)。大きな甲状腺腫を有するバセドウ病患者では、大量の出血のため余儀なく輸血をせざるを得ない場合があるが、これらの症例に対する自己貯血に関する報告はない。当施設では、平成8年より甲状腺腫の大きなバセドウ病患者には自己貯血を行い手術を施行しているが、これまでに8例を経験したので、適応、採血量、手術のタイミングや問題点などにつき検討し、今後の方針について考察する。

日臨外会誌 第61巻,第1号,1999年
甲状腺切除後の原発性副甲状腺機能亢進症2例:術中迅速副甲状腺ホルモン測定の有用性
山下弘幸、野口志郎、猪俣啓子、渡辺紳、内野眞也、大島章
 われわれは、副甲状腺機能亢進症(PHP)の手術の成否の判断目的に、術中迅速I-PTH測定を導入し、これまでに11例経験した。今回は、術中I-PTHの迅速測定が特に有効であった甲状腺切除の既往を有するPHP2症例につき報告する。症例1はバセドウ病にて甲状腺亜全摘術後で、術前に指摘された腫大上皮小体切除後、I-PTHが十分低下したので手術を終了した。症例2は甲状腺乳頭癌にて左葉切除後であった。術前に指摘された部に腫大腺はなく、術中に行った両側の内頚静脈のI-PTH測定結果をもとに。食道後壁の上皮小体腫瘤を摘出できた。

Medical practice 第16巻,1999年:1521
家族性低Ca尿性高Ca血症を合併したバセドウ病手術例
山下弘幸
 未治療のバセドウ病患者においては高頻度に高Ca血症が認められる。抗甲状腺剤による治療で甲状腺機能が正常化しても高Ca血症が持続する場合は、高Ca血症をきたす疾患の合併を考え鑑別診断が必要である。最近、バセドウ病の術前に家族性低Ca尿性高Ca血症(FHH)を診断しえた症例を経験した。

Medical Practice 第16巻,第3号,1999年:491
リチウム投与中の躁うつ病患者に発症した副甲状腺機能亢進症
山下弘幸
 炭酸リチウムは躁うつ病の治療として用いられているる薬剤である。この薬剤により、甲状腺機能低下をはじめ種々の内分泌機能障害が明らかにされてきているが、副甲状腺機能亢進症の報告例は本邦において少ない。この薬剤投与中に原発性副甲状腺機能亢進症と一致した生化学検査結果と超音波および副甲状腺シンチグラフィーで1腺の腫大が診断され手術を施行した症例を経験した。

外科 第59巻,第13号,1997年:1752-5
散発性髄様癌における RET 遺伝子変異
内野眞也, 野口志郎
 甲状腺髄様癌において,RET 遺伝子診断を行うことにより遺伝性と散発性の鑑別が可能となった.術前に甲状腺髄様癌が疑われる場合には,遺伝子診断は必ず行うべきである.また,散発性髄様癌においては,遺伝性の mutation hot spots とは異なる部位に mutation が報告され,塩基欠損や LOH など種々の遺伝子変異の関与が明らかにされつつある.

喉頭 第9巻巻,第2号,1997年:150-5
甲状腺癌手術における反回神経麻痺の統計学的観察
近藤昭男, 記本晃治, 小池靖夫, 橋内巧弘, 戸田雅克, 山下弘幸, 川本均, 村上信夫, 野口志郎
 術後の病理組織検査で甲状腺癌と診断された1293例を対象に,反回神経麻痺を起こす危険因子について解析した。また,術中に反回神経麻痺を保存した118例の神経麻痺を90日間追跡し,その改善を調査した。一方,乳頭癌の根治手術症例で,反回神経を保存できた384例と保存できなかった85例の生命予後を検討した。術後反回神経麻痺を起こす危険因子は,年齢,腫瘍の最大径,腫瘍と反回神経の癒着であったが,最大の危険因子は腫瘍と反回神経の癒着であった。また,改善には腫瘍と反回神経の癒着のみが影響を与えるとの結果を得たが,年齢に関しても,44歳以下では全症例が改善していた。さらに,反回神経保存群,非保存群とも生存率,無再発生存率が高値で有意差はなかった。

臨床病理 第45巻,第9号,1997年:899-902
TI 自己免疫性甲状腺疾患におけるAPTT延長およびLAC (Lupus Anticoagulant)の検索
谷好子, 野口志郎, 森田三雄
 自己免疫性甲状腺疾患(AITD)における延長された活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)およびループスアンチコアグラント(LAC)の度合いについて検討した。AITD群でのAPTT延長の頻度は6.2%で、非AITD群の約3倍であった 。後天性抗凝固因子であるLACを血小板中和法で測定したところ、APTT延長サンプルの内AITD群では51.5%、非AITD群では25%に存在を認めた。APTT延長群のAITD群では流産頻度が55%で、非AITD群の約2倍であった。しかし、甲状腺自己抗体と流産との間に有意差は認められなかった。

臨床外科 第52巻,第9号,1997年:1131-5
甲状腺と上皮小体の外科:最近の進歩 甲状腺癌の予後(生存時間)の推定
野口志郎
 予後を数字あるいは段階で表現できれば好都合だが,予後分類法の基本的考え方は,現実の予後調査に基づいた生存データにより予後因子を探し出し,それらの相互関係を明らかにすることにある。世界各国で発表されている甲状腺癌の予後因子のうち,一致しているのは年齢,腫瘍の最大径ないし大きさ,甲状腺被膜外への浸潤である。遠隔転移の有無も記述がある場合は一致している。

西日本泌尿器科 第59巻,第9号,1997年:718-21
すい臓と甲状腺に晩期転移を来たした腎細胞癌の1例
稲留彰人, 吉田正貴, 高橋渡, 米納誠, 瀬下博, 上田昭一, 山下弘幸, 野口志郎
 症例は55歳時に左腎腫瘍にて根治的腎摘出術を受けた65歳女で,その4年後に膵臓に多発性の腫瘍が認められた。腎細胞癌の膵転移の診断のもとに,膵体尾部切除,ひ摘出術,膵頭部腫瘍核出術を行った。10年後に甲状腺の腫大を主訴とした。超音波所見より転移が疑われたため,甲状腺生検を施行し,腎細胞癌の甲状腺転移の診断で,甲状腺全摘除術を施行した。病理組織学所見から明細胞癌の甲状腺転移と診断した。

臨床と研究 第74巻,第7号,1997年:1698-703
甲状腺悪性腫瘍の治療
山下弘幸, 内野眞也, 野口志郎
 甲状腺悪性腫瘍は病理組織型によって乳頭癌及び濾胞癌を含む分化癌と髄様癌, 未分化癌, 悪性リンパ腫に大別される。組織型によって生物学的特性が異なるので特性に応じた治療が必要である。本稿では, 甲状腺悪性腫瘍の組織型別に生物学的特徴を記し治療方針について解説する。さらに分子生物学的手法を用いた遺伝子診断についての最近の知見と臨床への応用につき述べる。

日本内科学会誌 第86巻,第7号,1997年:1180-3
甲状腺疾患:診断と治療の進歩 腫瘍性疾患の治療 甲状腺良性腫瘍の治療
山下弘幸, 野口志郎
 甲状腺良性結節はろ胞腺腫と腺腫様甲状腺腫に大別される。一般的に前者は腫瘍が単発で境界明瞭であり,後者は結節が多発性で過形成と退行性変化となったもので,結節内の出血,壊死,石灰化などがみられる。癌の疑い,腫瘤大,周囲臓器圧迫,機能性結節などが切除の適応となる。手術症例では,腺腫様甲状腺腫に癌が合併する頻度が高く,術前診断率が低かった。またろ胞腺腫はろ胞癌との鑑別が困難であったが,腫瘍径が大きいほど,また血清チログロブリンが高いほど悪性の割合が高かった。

日本臨床細胞学会雑誌 第36巻,第6号,1997年:563-567
甲状腺疾患における石灰沈着,特に砂粒体の出現とその有用性
丸田淳子, 野口志郎, 山下裕人
 乳頭癌495例,ろ胞癌60例,ろ胞腺腫730例,腺腫様甲状腺腫628例などを対象として標記検討を行った。粗大な石灰沈着の頻度は,乳頭癌およびろ胞癌のほうが,ろ胞腺腫および腺腫様甲状腺腫より高頻度であった。砂粒体は乳頭癌にて高頻度にみられる特徴的所見であった。また,乳頭癌の砂粒体は乳頭状構造部で数多く,ろ胞構造部では少なかった。砂粒体は乳頭癌の指標となり,さらに腺内播種や所属リンパ節転移の指標にもなり得る。

Osteoporosis Japan 1997 第5巻,第2号,1997年:333-338
骨粗しょう症健診により発見できた副甲状腺機能亢進症の1例
岡本純明, 井上健, 内野眞也, 山下弘幸, 野口志郎
 骨塩量の健康診断の来院者の中から副甲状腺腫を診断し治療し得た1例(39歳女性)を報告した。骨塩量減少者で副甲状腺機能高進症の頻度は高く骨粗しょう症健診から見いだせる可能性は大きいと思われる。骨量健診後,保険診療の枠内で行うべき精査の範囲は意見が一致していないが,健診後,骨粗しょう症治療に入る前に高感度副甲状腺ホルモン等の精査が重要と思われる。

内分泌外科 第14巻,第3号,1997年:209-213
甲状腺微小癌 甲状腺微小癌の病理(乳頭癌以外の癌を含めて)
山下裕人, 野口志郎
 微小癌のなかにろ胞癌や髄様癌は存在するが,de novoの未分化癌は存在しないことを見いだしたので報告した。1966年から1990年まで野口病院で手術された症例のなかから微小癌あるいはその疑いと診断されていた1,478例を再検査した。組織診断の結果,乳頭癌が1,282例,ろ胞癌が59例,髄様癌が4例で,悪性リンパ腫,未分化癌,扁平上皮癌は認められなかった。ろ胞癌については浸潤のありかたからタイプを4つに分けて解説した。観察事実などから未分化癌はde novoに発生することはなく,ろ胞上皮腫瘍,あるいは髄様癌の転化によってのみ発生することが示唆された。

日本臨床細胞学会雑誌 第36巻,第1号,1997年:13-18
甲状腺嚢胞性病変の細胞学的検討
丸田淳子, 野口志郎, 山下裕人
 甲状腺の嚢胞性病変に由来する穿刺吸引細胞診材料を用いて細胞学的検討を行った。病変の一部以上に嚢胞性変化を伴う頻度は,乳頭癌531例,ろ胞癌61例,ろ胞腺腫865例,腺腫様甲状腺腫797例でそれぞれ 21, 43, 65, 78 % であった。嚢胞を伴った乳頭癌およびろ胞腺腫は,実質性のものに比し平均腫瘍最大径が有意に大きかった。嚢胞性病変に対する細胞診では少なくとも2回以上の穿刺吸引細胞診の施行が必要であった。

手術 第50巻,第12号,1996年: 2121-4
甲状腺癌再発例に対して咽喉頭切除,食道抜去,咽頭胃管吻合,縦隔気管ろう造設を行った1例
高橋広, 中田達広, 宮内勝敏, 佐藤尚, 木村茂, 渡辺伸, 野口志郎
 症例は52歳の男で,甲状腺分化癌の初回手術後9年目に,下咽頭と食道及び喉頭気管に浸潤した。穿刺吸引細胞診で未分化変化を認めず,咽喉頭合併切除により腫りゅう摘出可能と判断した。本症例では,喉頭温存は不可能であり,喉頭を摘出後,Grilloの縦隔気管ろうを造設した。この手術手技を中心に報告した。

外科 第58巻,第12号,1996年:1439-42
甲状腺分化癌の手術 特にリンパ節の郭清法
野口志郎
 甲状腺分化癌は成長が遅く予後が良いが,十分郭清したつもりでも一定の割合で再発する。甲状腺分化癌手術の自験例によると,保存的リンパ節郭清術(MRND)を行った症例は,MRNDを行わなかった症例より明らかに重症であるが,遠隔成績ではMRNDを行った症例の方が予後がよい。以上のことをふまえ,2本の皮切による側頚部上方の郭清のポイントを図説した。

外科 第58巻,第6号,1996年: 695-700
非根治甲状腺癌に対する集学的治療法 エタノール注入療法について
渡辺紳, 野口志郎, 村上信夫, 二宮常之, 落合栄志
 大部分の甲状腺癌は根治手術が可能であるが,腫瘍の局所進展が著しい場合等では非根治となり,治療に難渋する症例もある。非根治症例に対し種々の集学的治療を試みているが,そのうちのエタノール注入療法について,実際の治療手技や評価方法を紹介し,現在までの治療経過から今後の展望を考察した。

日本臨床細胞学会雑誌 第35巻,第6号,1996年: 513-6
甲状腺疾患における urokinase‐type plasminogen activator および同 receptor の免疫学的検討
丸田淳子, 野口志郎, 山下裕人
 乳頭癌31例,ろ胞癌3例,ろ胞腺腫21例,腺腫瘍甲状腺腫24例の組織標本と捺印標本を用いて,免疫染色を行いウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ(u‐PA)とそのレセプター(u‐PAR)の発現を調べた。乳頭癌とろ胞癌では組織標本が全例陽性で,捺印標本では各22例(71%)と2例(67%)が陽性であった。u‐PAとu‐PARは甲状腺分化癌で高発現した。

臨床病理 第44巻,第1号,1996年:42-50
甲状腺癌の診断 CD26/Dipeptidyl Peptidase IV と Thyroid Peroxidase の診断的意義
梅木一美, 大瀧幸哉, 丸田淳子, 野口志郎, 小野勲, 近衛晃賢, 田中哲二, 豊田清一, 坂元藤雄
 摘出甲状腺組織で標題表記2酵素の組織化学腫瘍マーカーとしての意義を検討した。乳頭癌でサイロイドペプチダーゼ発現抑制,乳頭癌及びろ胞癌でCD26/ジペプチジルペプチダーゼIVの異常発現がみられ組織型に特徴的所見でmRNAレベルで制御されていると考えられた。前者は甲状腺の脱分化,後者は発癌とその進行の指標として有用な組織化学腫瘍マーカーと思われた。

日本臨床細胞学会雑誌 第35巻,第1号,1996年:14-9
甲状腺Adenolipomaの細胞学的,組織学的所見
丸田淳子, 野口志郎, 山下裕人
 甲状腺原発のAdenolipoma 17例(男 1, 女 16, 39-74歳)の臨床所見,組織所見,穿刺吸引細胞所見を検討した。画像診断では限局性の腫瘤であり,組織学的には様々な形態をとるろ胞上皮由来の腫瘍細胞成分と脂肪組織が混在した。穿刺吸引細胞診でも異型性の乏しいろ胞上皮由来の腫瘍細胞と成熟脂肪細胞や脂肪滴を認めた。

日本臨床細胞学会雑誌 第34巻,第6号,1995年:1025-9
甲状腺疾患における癌遺伝子 c‐erbB‐2, c‐myc の免疫組織・細胞学的検討
丸田淳子, 川本均, 野口志郎, 山下裕人
 病理組織診断の確定した乳頭癌 43例,ろ胞腺腫 19例,腺腫様甲状腺腫 22例の捺印標本を用いて c-erbB‐2 と c-myc の検索を免疫染色にて行った。乳頭癌の 65.1% が erbB‐2, 60.5% が c‐myc にて陽性で,他の腺腫に比べ有意に高い陽性率を示した。erbB‐2 陽性ではリンパ節の総数が増加するにつれて多くのリンパ節転移を認め,腫瘍の周囲組織への浸潤を認めた。c‐myc では転移・浸潤との関係はなかった。

内分泌外科 第12巻,第2号,1995年: 141-6
甲状腺癌 分化癌切除不能病巣への術中照射療法
中原浩, 野口志郎, 村上信夫, 平田秀紀

癌の臨床 第41巻,第2号,1995年: 132-6
特集 甲状腺腫瘍の診断と治療の進歩 甲状腺癌の病理学的特徴
山下裕人, 野口志郎

臨床外科 第49巻,第11,1994年:233-9
新・悪性腫よう治療のプロトコール 甲状腺癌治療のプロトコール(3)
野口志郎

内科 第74巻,第5号,1994年:876-9
特集 甲状腺の病気―最新のアプローチ 甲状腺の腫瘍
野口志郎

Med Pract 第11巻,第8号,1994年:1467-9
甲状腺疾患・治療 病期・病態に応じた治療の実際 甲状腺腫瘍 その取り扱いかた
野口志郎

臨床医 第19巻,第12号,1993年:2440-1
特集 甲状腺の臨床 痛みのある甲状腺腫
野口志郎

Medicina 第30巻,第2号,1993年: 280-1
内科疾患患者の生活指導 内分泌・代謝疾患 甲状腺疾患
森田三雄, 野口志郎
 バセドウ病の場合,薬物療法の効果が現れるまでに1か月以上要するので,服薬指導を適切に行い,副作用発現にも注意を促して,肥満に陥らないようカロリー制限を行う。放射性ヨード治療を行っている際は海藻類の摂取は控えさせる。心房細動が出現したときは徐細動を行わなければならない。慢性甲状腺炎(橋本病)の場合は,動脈硬化の進行,副腎皮質機能不全に留意する。甲状腺ホルモン剤の副作用についてはあまり気にすることはないが,規則的な服薬を厳守させる

外科 第55巻,第3号,1993年: 264-9
特集/甲状腺癌の外科 甲状腺癌に対する頚部郭清術の意義
野口志郎
 肉眼的な転移があるような症例は郭清をすることによって確実にbenefitを得る症例であり,バセドウ病に合併した微小な癌からの微小な転移をもっているような症例は郭清によってbenefitを得ることがほとんどない症例と思われる。それらの両極端のあいだにさまざまな程度の症例があり,はっきりと線を引くことは困難と思われる

臨床外科 第47巻,第13号,1992年: 1551-3
特集 今日の甲状腺癌診療 診断の実際―私はこうしている
野口志郎
 甲状腺癌の診断法は近年著しく進歩した。触診,超音波エコー,穿刺吸引細胞診を組み合わせると,乳頭腺癌を良性の腫瘍と誤診する(偽陰性)率は 10% かそれ以下になった。また,誤診される症例の過半数は癌以外に合併病変を持つものか,ろ胞状構造を主とする乳頭腺癌であり,浸潤などが少なく,良性の腫瘍としての手術をしても予後に重大な影響の少ないものであった。X線CT, MRI, 201Tl などは,癌であるか良性の腫瘍であるかの鑑別に用いる必要はなく,重症例や再発例の場合に癌の拡がりをみる時に用いるべき手段と思う

癌の臨床 第37巻,第10号,1991年: 1035-8
甲状腺分化癌の手術不能例に対するエタノール腫瘍内注入療法の試み
山内泰介, 野口志郎, 村上信夫, 山口公雄, 井村真里, 谷口雅彦
 4例で再発リンパ節内,3例で甲状腺腫瘍内にそれぞれエタノールを注入したが,いずれも根治手術不能例であった。全例分化型で,乳頭癌及びろ胞癌であった。6例で腫瘍の大きさが縮小し,残りの症例ではCT上腫瘍が縮小した

ホルモンと臨床 第39巻,第7号,1991年:681-4
特集/甲状腺腫瘍:基礎と臨床 甲状腺癌の診断をいかに進めるか 外科医の立場から
野口志郎
外科医の甲状腺癌の診断は,手術が必要か否かの点から,触診及び穿刺吸引細胞診等から甲状腺由来の決定,癌か良性腫りゅうかの診断を行い,さらに手術の緊急性を検討する。また,周辺臓器の合併切除の術前の予測から癌の拡がりの診断や手術の根治性の検討も重要である。

Mebio 第7巻,第8号,1990年:65-9
甲状腺疾患 治療のポイント バセドウ病―外科的治療の実際 問題となる術後甲状腺機能変化
野口志郎


弊院から発表の主な日本の文献
2001年〜

弊院から発表の主な海外の文献
since 2000, from 1998 to 1999, from 1995 to 1997, from 1990 to 1994, in 1980s

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