内分泌疾患専門病院
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バセドウ病の放射性ヨウ素治療

放射性ヨウ素治療とは

 ヨウ素の放射性同位元素であるI-131のカプセルを内服する治療です。内服した放射性ヨウ素は甲状腺に取り込まれ放射線を出します。この作用によって甲状腺を小さくし、甲状腺ホルモンが過剰に作られるのを抑えます。放射線を使いますので18歳以下の人は原則としてこの治療には向きません。妊婦さん、授乳中の方はこの治療を受けることができません。この治療を受けた後1年間は避妊する必要があります。また、バセドウ病に伴う眼症状の程度によってはこの治療が勧められない場合があります。

治療の手順

 まず薬物治療でなるべく甲状腺機能を正常にしておきます。放射性ヨウ素内服の5〜7日前からヨウ素を含む食品を摂らないようにします。バセドウ病の治療薬の内服もこの間休みます。内服予定の前日に受診して、血液検査、超音波検査、放射性ヨウ素摂取率の検査を行います。これらの結果から内服する放射性ヨウ素の量を計算します。放射性ヨウ素内服後も約5〜7日間はヨウ素を含む食品をひかえ、治療薬も休んだままにしておきます。この期間が過ぎたあとはヨウ素を含む食品を摂ることができます。バセドウ病治療薬を再開し、放射性ヨウ素の効果が出るまでは続けます。

治療の効果

 早ければ放射性ヨウ素内服後約3〜4月で効果が出始めますが、人によってはもっと長くかかることもあります。充分に効果が出ればバセドウ病の治療薬は必要なくなりますが、甲状腺機能低下症になると甲状腺ホルモンを補充することになります。一度の治療で効果が充分に出ないこともまれにあります。この場合は同じ治療を繰り返して行うことができます。

放射性ヨウ素治療の長所

 適切な量の放射性ヨウ素を内服すれば確実に効果があります。手術に比べると効果が出るまでに少し時間がかかりますが、入院せずにできる場合が多く、治療そのものはカプセルを内服するだけの簡単な方法です。

 甲状腺があまり大きくない方、バセドウ病手術後の再発の方、薬物治療でなかなか治りきらない方などに勧められる治療法です。

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