内分泌疾患専門病院
甲状腺・副甲状腺疾患、糖尿病などの生活習慣病 Facebookページへ Twitterへ

慢性甲状腺炎(橋本病)

慢性甲状腺炎とは

 慢性甲状腺炎は甲状腺自己免疫疾患のひとつです。1912年に橋本策博士によって初めて報告されたことから橋本病とも呼ばれます。好発年齢は30~60歳で、女性に多い疾患です。軽症を含めると成人女性の30人に一人と高頻度に見られるとされています。

 この病気は、甲状腺における自己免疫によって発症します。甲状腺にリンパ球と免疫細胞が集まって慢性的に炎症が起こるために、甲状腺がびまん性に腫大したり、血液中の甲状腺ホルモン値が低くなったりすることがあります。しかし、大部分の慢性甲状腺炎の患者さんでは、甲状腺ホルモン値は正常範囲で推移します。

慢性甲状腺炎の診断

 触診や超音波検査でびまん性甲状腺腫を確認します。血液検査では抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体が陽性であることを確認します。ただし、これらの抗体の陽性率はそれぞれ70〜95%、45〜70%ですので陰性でも慢性甲状腺炎の可能性はあります。

慢性甲状腺炎の治療

 甲状腺機能が正常であれば基本的に治療の必要はありません。しかし、甲状腺機能が変動する可能性があるので、ある程度の間隔で甲状腺機能を検査する意味はあります。特に、抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体が高値の場合は、将来的に甲状腺機能が低下する可能性が高いとの報告もありますので、そのような場合は定期的な検査が大切と考えられます。また、女性では妊娠中、産後に甲状腺機能が変動する可能性があるので、定期的な検査が必要です。

 甲状腺機能低下症となった場合は甲状腺ホルモンを補充します。TSHの値を指標に補充する甲状腺ホルモン剤の量を調節します。過不足のない量の甲状腺ホルモン剤を毎日一回内服します。