内分泌疾患専門病院
甲状腺・副甲状腺疾患、糖尿病などの生活習慣病 Facebookページへ Twitterへ

第7章 糖尿病に関する検査

診断やコントロール状態評価のための検査

1)    血糖検査

空腹時の血糖だけでなく食後2時間での血糖測定も有用です。インスリン注射やスルホニルウレア薬を使っている場合は昼食前や夕食前の低血糖を起こしやすい時間の血糖値にも注意して下さい。24時間を通じて血糖値をなるべく正常に近づけるよう薬の量を調節するためには毎食前の血糖値、眠る前の血糖値、あるいは夜中の血糖値の測定が必要なこともあります。

2)    HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

糖化ヘモグロビン、グリコヘモグロビンともいいます。採血から過去1〜2か月間の血糖値の平均を示す検査です。正常値は5.8 % 以下で、血糖が高い日が多ければHbA1cは高くなります。コントロールが良ければ低くなります。血糖測定と違って食後に採血しても影響はありません。1〜3か月に一度、病院で検査を受けましょう。同じような検査で過去2週間の血糖値の平均を示す糖化アルブミンという検査もあります。

3)    尿検査

血糖値が160〜180 mg/dl以上の時に尿に糖が出ます。糖尿病がなければ普通は尿に糖が出ることはありませんから、尿糖陽性であれば糖尿病が疑われます。コントロールの指標として測定する場合は食前は尿糖陰性、食後2時間の尿では陰性または少量の尿糖陽性が目標です。尿糖強陽性または血糖値が非常に高い状態で、尿にケトン体が出ていればインスリンの働きがかなり不足していることが判ります。インスリンの働きが極端に悪いと、体内ではブドウ糖のかわりに脂肪がエネルギー源として使われます。ケトン体は使われた脂肪の燃えかすですので、尿にケトン体が出る場合はインスリンの働きが極端に悪いことを示しています。

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インスリン分泌予備能や糖尿病のタイプを調べる検査

1)    C ペプチド (CPR)

膵臓がインスリンを作る時には同じ量のCペプチドが同時に作られます。Cペプチドは尿に排泄されますので、1日尿中のCペプチドを測定するとその日に作られたインスリンの総量がわかります。Cペプチドは血液でも測定することができますので、これらの検査で膵臓がインスリンを作る力を調べることができます。1日尿中Cペプチドが20μg/日以下、または空腹時血中Cペプチドが0.5 ng/ml以下であれば、膵臓のインスリン分泌予備能がかなり低くインスリン注射が必要であると考えられます。

2)    GAD抗体

膵臓のインスリンを作る細胞に対する自己抗体のひとつです。GAD抗体が陽性の場合は1型糖尿病の可能性が高くなります。しかし、糖尿病でなくても1型糖尿病の血縁の人やバセドウ病の人でも陽性になる場合があることが知られています。

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糖尿病の合併症の検査

1)    眼底検査

糖尿病性網膜症の検査です。数か月に一度、眼科を受診して眼底を調べます。必要があれば造影剤を注射して眼底の血管の様子を詳しく調べる方法もあります。

2)    尿たんぱくの検査

糖尿病性腎症の検査です。通常の尿検査の時にたんぱくが出るかどうか調べます。腎症の早期診断のためには尿中のアルブミンというたんぱくの量を鋭敏に測定する方法があります。尿中アルブミンが30 mg/g Cr未満なら正常、30〜300 mg/g Crなら早期腎症、300 mg/g Crを越えていれば顕性腎症が疑われます。

3)    神経機能の検査

糖尿病性神経障害の診断のための検査です。手足の末梢神経を電気刺激が伝わる速度を計る検査、電気刺激や振動の感じかたを測定する検査などいくつかの方法があります。

4)    心電図などの心臓の検査

狭心症や心筋梗塞の診断に必要な検査です。安静時の検査だけでは診断が困難な場合があり、さらに詳しく調べるために運動負荷後の心電図検査、超音波を使う検査(心エコー検査)、放射性物質を用いて心臓を調べる検査、血管内にカテーテルを通して冠動脈を造影する検査などもあります。

5)    動脈硬化の検査

下肢の動脈硬化の程度を簡単に調べるためには、足背動脈の拍動を触れたり腕で計った血圧と脚で計った血圧の比をみたりします。超音波を用いて頚動脈の壁の厚さを測定することもできます。手足の血圧を同時に測定して動脈硬化の程度を調べる検査もあります。

6)    その他の検査

糖尿病には膵臓、肝臓、胆嚢の疾患を合併することがあります。これらの診断に腹部超音波検査が有用です。肝機能検査、腎機能検査なども定期的に検査しましょう。胸部レントゲン検査や胃腸の検診なども年1回は受けましょう。

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